守谷の地形と原風景

 

守谷市は茨城県南部に位置し、利根川、小貝川、そして江戸時代に付け替えが行われた鬼怒川の三つの川に囲まれたまちです。三つの川につながる低地は枝分かれしながらひだのように台地に入り込み、谷津(谷戸)と呼ばれるたくさんの小さな谷をつくっています。
台地の裾には、いたるところに湧き水があり、谷津や川につながる低地は、水田として人々の営みを支えていました。そして台地の雑木林や谷津へと降りる斜面林は、燃料としての薪の利用や、落ち葉を使った堆肥づくり、竹を使った道具づくり、山菜やキノコ、薬草の採集など、日々の暮らしに欠かせない場所として利用されてきました。この台地と谷津、林や斜面林が一体の生活空間を作っていたのが、守谷の地形と原風景の特徴です。

里山ってなんだろう?

里山とは、人々が暮らしのために身近な自然を利用しながら、同時にその管理や手入れを行い、持続的に環境を維持してきた、人の暮らしと自然が一体となった環境のことです。山奥深くの手つかずの自然などとは異なり、地域の人々の適切な手入れによって守られてきたという点で、二次的な自然などとも言われています。日常的な利用が行われなくなるにつれ、

暮らしと里山の関係も希薄なものとなっていましたが、最近では里山の豊かな生態系や貴重な緑、環境教育の場としての可能性など、改めてその価値が見直されてきています。

守谷は平坦な台地と谷津田で山といえる地形はありませんが、人々の暮らしと一体的な自然を里山と考えています。

ニュータウン開発と里山の現在

この里山の環境は、戦後になって大きく変化しました。特に守谷市は都心から40㎞圏内に位置して「つくばTX」が平成17年に開通し、大規模都市開発(常総ニュータウン)によって、いくつもの谷津田は埋め立てられて消滅しました。また、農業の効率化や減反によって、残る谷津田もその多くは耕作放棄地となり、中にはゴミの不法投棄などで環境悪化が懸念されるようになってしまいました。
しかし守谷では、残された緑地を保全し、荒れた里山の環境を整備したり再生する取り組みがあちらこちらに見られるようになっています。
ゴミ拾い、田んぼの再生、散策路や水路の整備、竹林整備や炭焼きなど、多くの市民や子どもたちが参加し、身近な自然を楽しみ、触れ合えるような環境づくりが進められています。

知らない守谷を探してみよう

都市化が進んだ守谷ですが、身近な場所に素晴らしい環境が残り守られており、そこかしこに里山らしい姿を発見することができます。いつも通らない道をのんびりと歩けば、名前を知るほどに楽しくなる野の花や、メダカなどの小さな魚たち、幻想的なホタル、里山の王者オオタカなど、普段は気づかない守谷に出逢うことができるかもしれません。そんな自然とのふれあいを求めて小さな旅に出てみませんか。